2023夏季研修会「板金大実験4年目の真実」
やってみなけりゃわからない板金大実験「ルーフィングは軒先唐草の上か下か」
令和5年7月9日(日)、例年通り月星商事㈱埼玉支店の駐車場の一画をお借りして開催された。
日頃疑問に思う事を実験してみる。例えば、模擬屋根に水を流した後に屋根をはがして裏側を見たり、現実には何には起きているのかを検証してみようという企画。題して「板金大実験」。
10年長期暴露試験も中盤に入ったが、予想外の結果になる事も多い。実験内容はとても細かい事ではあるが、板金の基本。
我々にしか追求出来ない事でもあるのだ。そんな4年目の報告をお届けする。
この実験は月星商事(株)埼玉支店の絶大なる協力によって開催されております。菅野厚一支店長始め、関係各位の皆様に心より御礼申し上げます。
この実験には、大きな2つの着眼点がある。
- この実験本来の目的、ルーフィングは上か下かを見極める
過去3年の結果では、ルーフィングが上の方が優勢。ならば、下の場合で対等にする方法はあるのかを防水テープや補助ルーフィング等の張り方を模索しているのが今年の状況。
- カンゴウ式立ハゼの耳の部分の処理方法
ビスを打つ耳部分に水が戻る現象が確認されているが、この現象を食い止めるにはどうしたら良いか、の2つの検証が同時に行われている。
対策
- 対策:ルーフィングが下の場合
防水テープの張り方を変えて施工した結果は、返しの下から唐草端部まで張ると戻りが少ない。唐草の返しを越して張ってみたモノでは返しを超えていた。
→ 再々対策として、軒先3cm空けて張ったモノ、軒先ギリギリまで張ったモノ、軒先ギリギリで返し前3cm空間を空けたモノの3種類で違いをみる事にした。
- 対策:カンゴウ式切欠きの結果
切欠き15mm、25mm、斜めカット30mm、45mmの場合、戻っている。
結論として、どのカット方法も効果は見られなかった。
→ 再々対策として、耳部分を唐草の返し部分までカットしてみた。
→ 再々対策として、ルーフィングの半端をビス下に敷くなど、半端ルーフィングを使用してみた。
板金は奥が深い。参加者全員がそう感じたはず。特に設営メンバーは、敗北感に似た微妙な気持ちで帰路についた。帰宅後すぐ参加者全員にこの結果についてアンケートをしたのだが、様々な意見・感想が寄せられた。その中で、「この実験は板金の教科書ですね。これからも頑張って下さい」の応援メッセージを頂き、元気復活。今年の結果は「このような対策をしても意味がない」という方法を見つめたという、大変有意義な年になりました。「残りの年数で最善の方法を絶対に見つけ